建設業許可における専任技術者、現場主任技術者の範囲が拡大

専任技術者要件緩和
目次

令和5年7月1日から一定の資格が学歴と同等として扱われます

いつから専任技術者要件が変更になるの?

令和5年5月12日、施工技術検定規則及び建設業法施行規則の一部を改正する省令が交付されました。
この改正によって、令和5年7月1日から、建設業許可を取得する際に営業所ごとに必ず置かなければならない技術者(「専任技術者」)になれる要件が緩和されることになります。

※以下の内容は北海道においてはほとんどの事業者様が一般建設業許可を取得するため、一般建設業許可の場合を前提とします。

一定の資格が学歴と同等の扱いに

まず、営業所ごとに置かなければならない専任技術者に就任するには、次の3つのうちのどれかの条件に当てはまる必要があります。今回の改正は③の改正となります。

これまでの専任技術者就任要件

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就任の条件具体的な内容
① 学歴+一定の実務経験・高卒(指定学科)+5年以上の実務経験
・大卒(指定学科)+3年以上の実務経験
② 10年以上の実務経験許可を受けようとする業種の実務経験を10年以上
③ 国土交通大臣が認定した者一定の国家資格保有者
根拠条文:建設業法第7条第2号

これまでも一定の国家資格を持っている方は専任技術者となることができました。
しかし、国家資格で専任技術者の就任要件を満たすには、技術検定試験の2次検定まで合格することが必要でした。

今回の改正は、2次検定合格者に限らず、1次検定の合格者を高校又は大学の指定学科を卒業したことと同じ扱いとなります。具体的には、技術検定1級の1次検定に合格すれば大卒と、2級の1次検定に合格すれば高卒と同等の取り扱いとなります。
つまり、1級の一次検定合格後は3年、2級の一次検定合格後は5年の実務経験を経て専任技術者となることができるのです。

なお、どの技術検定種目と指定学科が対応しているかは下の表のとおりです。

技術検定種目同等とみなされる指定学科
土木施工管理、造園施工管理土木工学
建築施工管理建築学
電気工事施工管理電気工学
管工事施工管理機械工学

注意!指定建設業と電気通信工事業は対象外

一定の資格が学歴と同等の扱いになりますが、指定建設業と電気通信工事業は対象外ですので注意が必要です。
指定建設業とは、施工技術の総合性、施工技術の普及状況その他の事情を考慮して政令で定める建設業のことをいいます(建設業法第15条第2号本文)。要するに、様々なことを考慮しながら高度な技術で施工する工事のことです。
具体的には次の7種類の工事をいいます(同法施行令第5条の2)。

  • 土木工事業
  • 建築工事業
  • 電気工事業
  • 管工事業
  • 鋼構造物工事業
  • 舗装工事業
  • 造園工事業

これらの業種と電気通信工事業については、これまでと同様の取扱いとなりますのでご注意ください。

建設業新規許可・業種追加の幅が広がり、主任技術者の範囲も拡大

新規許可取得・業種追加の可能性が広がる

営業所専任技術者になれる範囲が拡大したことで、これまでは技術者がおらず許可取得をあきらめていた事業者様も許可が取得できる可能性があります。また、すでに許可を取得している事業者様については、許可業種追加の可能性も広がります。

これまで、機械器具設置工事・さく井工事・消防施設工事・清掃施設工事の4業種については、専任技術者となれる建設業法上の技術検定種目(※)がありませんでした。しかし、今回の改正によって、対応する建設業法上の技術検定に合格し一定の実務経験を積むことで専任技術者となることが可能になります。
したがって、制度上、これらの業種を営む事業者様が専任技術者を確保するハードルが下がることになります。

(※)一般財団法人建設業振興基金・一般財団法人全国建設研修センター・一般財団法人日本建設機械施行協会が実施している各種検定

主任技術者の範囲も拡大

建設業の許可を受けている事業者が工事を施工する際、現場ごとに主任技術者を配置しなければなりません。
主任技術者となれる者は次のいずれかの条件を満たしている必要があります。

主任技術者就任要件

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就任の条件具体的な内容
① 学歴+一定の実務経験・高卒(指定学科)+5年以上の実務経験
・大卒(指定学科)+3年以上の実務経験
② 10年以上の実務経験許可を受けようとする業種の実務経験を10年以上
③ 国土交通大臣が認定した者一定の国家資格保有者
根拠条文:建設業法第26条第1項

お気づきかと思いますが、専任技術者に就任する条件と同様の条件となっています。
今回の改正により、専任技術者の範囲拡大に伴い、主任技術者の就任条件も拡大されることになります。
ただし、元請業者が締結した下請契約の代金が一定額を超える場合には条件が異なりますのでご注意ください。

まとめ

令和5年7月1日から改正により営業所専任技術者、主任技術者の範囲が拡大されることが決まりました。
人手不足が背景にあるものと考えられますが、就任要件を緩やかにし、許可取得・維持、柔軟な現場運営を可能にする改正内容になっていると思われます。

まとめ「新たに営業所専任技術者・主任技術者となれる者」

・技術検定1級の1次検定合格+3年の実務経験
・技術検定2級の1次検定合格+5年の実務経験

なお、技術検定種目と専任技術者になれる建設業種の対応表を作成しましたので、必要に応じてご活用ください。

【資料】技術検定種目・建設業許可業種対応表(建設業法施行規則第7条の3改正)

本記事の出典:国土交通省ホームページ(https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo13_hh_000001_00176.html
【別添3】実務経験による技術者資格要件の見直し
【省令】施工技術検定規則及び建設業法施行規則の一部を改正する省令

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